2010年10月21日木曜日

3、幼稚園で親も成長

 先日のこと、ボタン付けも主人がやってくれるほどの裁縫ベタな私に最大の試練が来た。その試練とは、「お芋袋」である。幼稚園から連絡を受けて「そんなん作れん。市販の袋を持って行こう」と心に決めていたが、袋の提出日に先生から「お芋袋を持って来てください」とメモがお弁当箱に張り付けられていた。

 次の日に某ショッピングセンターで探すこと約1時間。どこを探してもない。焦りが見えてきた。そんな時に店員さんから「簡単ですよ、作ってみたら?」と。「いやいや、無理無理」と拒んでいたが、作った袋を手にした時の娘のうれしそうな顔が一瞬、思い浮かんだ。

 「よし! いっちょ、やってみるか!」。取り掛かり早々、サイズを間違えたり、針が指に刺さったりしたが、ブサイクなりに何とかできた。お芋が袋から飛び出さないかと心配だったが、無事にいっぱいお芋を詰めた袋を手に持ち、娘が幼稚園から帰ってきた。

 その日の晩は、娘のお芋掘りの話を聞きながら、お芋のかき揚げを家族皆でほお張った。形はどうであれ、誰かのためにモノを作ったという達成感を味わったのは久しぶりである。幼稚園では、「子供の成長とともに親も成長するものだ」とあらためて気づかされる出来事であった。

【夕部美子=36歳、会社員、高知市】

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